Bun完全ガイド:高速JavaScriptランタイムの特長・インストール・活用まで

この記事でわかること
本記事は、公式ドキュメントおよびGitHub一次情報を基に構成しています。参考: https://bun.sh/docs / GitHub: https://github.com/oven-sh/bun
- Bunとは何か(Node.jsとの違い)
- 高速性の仕組みと主要機能
- インストール・実行方法
- バンドラ/テストランナー/パッケージ管理の統合
- 現状の制限と今後の展望
Bunとは
Bun は、JavaScriptとTypeScriptを超高速で実行するためのオールインワン・ツールチェーンです。
Node.jsやDenoと同様にランタイムとしての役割を持ちつつ、ランタイム/バンドラ/パッケージマネージャ/テストランナーを1つのCLIで統合しています。
開発元は Oven(oven-sh)で、コアは Zig 言語で実装、エンジンは WebKit の JavaScriptCore を採用しています。
これにより起動速度とメモリ効率で高い性能を発揮します。
画像出典(ロゴ):Bun公式 Press Kit — https://bun.sh/press-kit
1. Bunの特徴

例: bun run index.tsx
参考(オールインワン構成の解説図):Kinsta — https://kinsta.com/blog/bun-sh/
- 高速な実行性能:Zig × JavaScriptCore により、起動速度は Node.js 比で 4× を目標(公式ドキュメント言及)。TypeScript/JSX をトランスパイルなしで直接実行可能。
- Node.js互換性:多くのNode組み込みAPIやnpmパッケージに対応(例:fs / path / Buffer)が、完全互換ではないため未対応領域は継続改善中。
- オールインワン設計:依存管理・ビルド・テスト・実行を bun コマンドで完結。
2. インストールと基本コマンド

推奨インストール(macOS/Linux/WSL対応): curl -fsSL https://bun.sh/install | bash
Windows は 2025年時点で WSL 推奨(ネイティブ対応は進行中)。
参考(インストール速度比較ベンチマーク):JavaScript in Plain English — https://javascript.plainenglish.io/npm-yarn-pnpm-bun-install-real-app-benchmarking-72c475498024
コマンド | 説明 |
---|---|
bun run <file> | JavaScript/TypeScript を直接実行 |
bun install | パッケージのインストール |
bun dev | 開発サーバーの起動 |
bun test | 統合テストランナーを実行 |
bun build | バンドラ機能でビルド |
3. パッケージマネージャ機能

例: bun add react / bun remove axios
参考(パッケージマネージャ比較):JavaScript in Plain English — https://javascript.plainenglish.io/npm-vs-pnpm-vs-yarn-vs-bun-javascript-package-manegers-a90b388fbd75
- npm互換の package.json を利用
- bun install は npm / yarn / pnpm より高速
- lockfile は bun.lockb(バイナリ形式)
- npmリポジトリのパッケージを幅広くサポート
パフォーマンス比較(参考)

Node.js/Deno/Bun の比較解説:Snyk — https://snyk.io/blog/javascript-runtime-compare-node-deno-bun/
ランタイム比較(Node.js / Deno / Bun)

各ランタイムの特徴とユースケース比較(参考リンクは上記Snyk記事を参照)。
JavaScriptCore エンジン構成(参考)
Bun が採用する JavaScriptCore のアーキテクチャ概念図(参考)。
4. バンドラ機能
Bun には高速なバンドラが標準搭載され、ESM を前提に 1 ステップでビルド可能です。
例: bun build src/index.tsx --outdir=dist
補足:現時点では JavaScript/CSS 中心の機能。プラグインやアセット最適化などは今後の拡張領域。
5. テストランナー機能
Jest ライクな API(bun:test)を内蔵し、外部依存なしでテストを実行可能。
例: import { expect, test } from 'bun:test'; test('sum', () => { expect(1+1).toBe(2) })
6. Webサーバー構築例
Bun.serve を用いて軽量なHTTPサーバーを起動可能。
例: Bun.serve({ port: 3000, fetch(req){ return new Response('Hello from Bun!') } })
7. 設定ファイル(bunfig.toml)
bunfig.toml で挙動をカスタマイズ可能。
例: [test] coverage = true / [install] production = true
8. 制限と今後の展望
- 一部 Node.js ネイティブモジュールは未対応(node-gyp 依存など)
- Windows ネイティブ対応は進行中(2025年時点では WSL 推奨)
- プラグインAPIやFaaS統合などのエコシステム拡張が進行
- 活発な更新(例:v1.1 系など)で互換性・機能が継続強化
まとめ
Bun は『速く・簡潔で・多機能』を一体化した革新的な JavaScript ランタイムで、開発者体験の最小構成を実現します。
機能 | 特徴 |
---|---|
ランタイム | JavaScriptCore × Zig による高速実行 |
パッケージ管理 | npm互換・独自 lockfile で高速 |
バンドラ | 高速ビルド(ESMベース) |
テストランナー | Jest 互換構文を内蔵(bun:test) |
サーバー | Bun.serve() で即時HTTP起動 |
参考資料
- Bun公式ドキュメント
- https://bun.sh/docs
- Bun GitHubリポジトリ
- https://github.com/oven-sh/bun
- Bun公式ブログ
- https://bun.sh/blog
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