adk-go とは?Goで始める実務向けAIエージェント開発

結論:adk-go は「本番で使えるAIエージェント」をGoで作るための公式SDK
adk-go は、Google が公開している AIエージェント開発キット(ADK)を Go 言語から扱うための公式SDKです。
よくあるチャットボット用途にとどまらず、業務の中で安全に動かせるAIを作ることを前提に設計されています。
「とりあえず動くAI」ではなく、
実際に仕事で使えるAIを目指したい人向けのツール、という位置づけです。
GitHub の公式リポジトリでは次のように説明されています
An open-source, code-first Go toolkit for building, evaluating, and deploying sophisticated AI agents with flexibility and control.
(高度な AI エージェントを柔軟かつ制御を効かせて構築・評価・デプロイするための、コード重視のオープンソース Go ツールキット)GitHub
このリポジトリは Apache-2.0 ライセンス で公開されており、誰でも自由に利用・改変できます。
この記事でわかること
- adk-go がどんな目的で作られているのか
- 具体的に何ができるのか
- 他のAI系ライブラリと何が違うのか
- どんな人・どんな用途に向いているのか
adk-go とは何か?
単に文章を生成するだけではなく、
- 目的を理解し
- 手順を考え
- 必要なツールを使い
- 結果を見て次の行動を決める
こうした 一連の流れを制御できる構造になっています。
ここが、一般的なLLMライブラリとの大きな違いです。
公式 GitHub の最初の説明(README)として次のように記載されています
An open-source, code-first Go toolkit for building, evaluating, and deploying sophisticated AI agents with flexibility and control.
(柔軟性と制御性を持つ高度な AI エージェントを構築・評価・デプロイするための、コード重視の Go ツールキット)GitHub
adk-go でできること

AIエージェントをGoで実装できる
LLMを活用しながら、
「判断 → 実行 → 評価」を行うAIエージェントを構築できます。
例えば、
- 社内データを検索して回答するAI
- APIを呼び出して情報を整理するAI
- ログを解析して異常を検知するAI
など、実務で使うことを想定したAIが主な対象です。
外部ツールと安全に連携できる
adk-go では、
AIが使える機能を Tool(ツール)として明示的に定義します。
そのため、
- 勝手にAPIを叩かない
- 想定外の処理をしない
といった、暴走しにくい設計になっています。
このあたりは、実運用を考えるとかなり安心できるポイントです。
昨今のAIは暴走しがちなので、流行りのAIツールとは、少し毛色が違います。
ワークフローを段階的に制御できる
処理をすべてAIに丸投げするのではなく、
- どこで判断させるか
- どこで人や既存システムが関与するか
といった流れを設計できます。
そのため、業務システムに組み込みやすいのが特徴です。
他のAIライブラリとの違い
adk-go は、「実験向け」というより 運用前提のライブラリです。
比較観点 | adk-go |
|---|---|
学習コスト | やや高め |
自由度 | 高い |
安全性 | 高い |
本番向き | ◎ |
短期間のPoCよりも、
長く使い続けるシステム向けと言えるでしょう。
インストールと利用
公式リポジトリでは Go プロジェクトに追加する方法も示されています
go get google.golang.org/adk
という形で ADK を自分のプロジェクトに取り込めます。GitHub
状況・段階感
- 現時点では v0.2.0 がリリースされています。GitHub
- まだアルファ/初期段階であり、機能や API は今後変わる可能性があります(公式ソースにもバージョンや安定性についてコメントあり)。Go Packages
どんな人に向いている?
- Goでバックエンド開発をしている
- 業務ツールにAIを組み込みたい
- チャットボット以上のことをやりたい
- 安定運用を重視したい
こうした人にとって、adk-go はかなり相性が良い選択肢です。
まとめ

adk-go は、
「AIを業務に組み込む時代」を前提に作られたGo向けSDKです。
派手さはありませんが、
- 制御しやすい
- 安全に使える
- 本番で動かせる
この3点が、大きな強みになっています。Googleっぽいですね。
AIを「試す」段階から、
AIを「使いこなす」段階へ進みたい人には、十分検討する価値のあるツールです。
公式ドキュメントへのリンク

公式ドキュメントページでは、Go版の ADK の クイックスタート・構造・使い方 が詳しく紹介されています
👉 https://google.github.io/adk-docs/get-started/go/ Google GitHub
ここでは、
- エージェントの立ち上げ方
- Web UI や CLI でのテスト方法
- 実際のエージェント実装パターン
などが公式サポートされています。
実際に仕事で使えるAIを作りたい方はぜひ!
© The Go Authors, designed by Renee French
Licensed under CC BY 4.0
※ This image has been modified.
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
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